あの人の本棚

 当店は、小さいからか、はたまた暇なためか、他店に比べお客さんとお話する機会が多いようです。こんな時に本のことを教えていただくのは、とても貴重な品揃えの参考になります。
 また、学生時代から友人宅に遊びに行った時は主の本棚をじっくり観察するのが好きでした。その人のバッククランドがわかったような気になりますし、自分と同じような趣味の本があると嬉しくなったものです。
 そんなわけで、ここでは当店のユニークな常連さんにご登場いただき、お気に入りの本を公開していただくことにしました。

池田雪さん(書肆侃侃房)の本棚 Vol.5

「長めのいい部屋」 フジモトマサル

中央公論新社(中公文庫) ¥700

長めのいい部屋

 フジモトマサルさんのイラストって、装丁にあるだけでジャケ買いしそうになったりと、たまらなく好き。この「長めのいい部屋」は、いろんな動物たちが住む街の、いろんな暮らしが出てくる絵本です。  ペンギン好きのシロクマがペンギンと出会ってドキドキしたり、羊が羊にオオカミのぬいぐるみをプレゼントしたり、ライオンのルームメイト求むの張り紙に応募してきた猫と一緒に住み始めたりと、何度読み返しても、くすっと笑えたり、ほんわかした気持ちになります。  ハードカバーで出ていたものが、中公文庫の手のひら絵本シリーズの一冊になりました。

児島研二さん(市民オンブズマン福岡)の本棚 Vol.14

「あきらめ」を「希望」に変えた男」 及川和夫

日本経済新聞社 ¥700

「あきらめ」を「希望」に変えた男―沢内村長・深沢晟雄の生涯

 昭和30年代に全国でも最悪といわれた岩手県沢内村の乳児死亡率をゼロにした深沢村長の生涯を追いながら、豪雪と貧困の村が「ブルトーザー村長」と呼ばれた深沢村長のもとで大きく変貌し全国から視察に訪れるほど老人、乳幼児の健康、福祉の先進地となっていった歴史を描いている。(福岡にも昔「ブルトザー市長」と言われ大型公共事業ばかり強引に進めた人がいたが、沢内村は雪深い村をブルトーザーを購入して冬でも行き来できるようにした)

 深沢村長の地域での活動方針は、 ①調査眼を持つ。 ②指導者は引率型ではなく演出型の役割を演じ、組織の能力をフルに引き出す。 ③運動は一過的な終着駅型ではなく、途中下車型にして常に新しい目標を置く。 ④三「せい」運動。(一人一人がせい。皆でせい。話し合ってせい。) というもので、決して古いものではなく、今でも重要な内容をもっている。

池田雪さん(書肆侃侃房)の本棚 Vol.4

「京都カフェ案内」 木村衣有子 

平凡社  ¥1,470

京都カフェ案内

 京都旅行のおともにと、最初に手に入れた本は、京都のカフェと出会うための大切な一冊になりました。京都へ旅立つ前に、この本を読んで、京都への思いを募らせ、実際に本で紹介されているカフェに足を運び、帰ってきてまた、思い出しながら眺めています。  ここで紹介されているカフェってほんととてもステキなカフェばかりでした。木村衣有子さんの文章で、少しは京都のカフェ文化の奥深さにふれられたかな。  いろんなストーリーを感じさせる写真にも想像力をかきたてられます。巻末にはカフェのデータ&地図もまとめてあります。