ロングセラーを探せ!

 もう長いこと出版不況だなどと言われ続けているわりにはちっとも新刊の発行点数は減らず、その結果書店の店頭に置かれる本の寿命はどんどん短くなってきています。  そんな中でも、平積みされる期間が終わって棚に入ってからも着実に売れていく優秀な本=「ロングセラー」は確かに存在しています。
  広告や書評の出る新刊に比べると地味ですが、静かに売れていってくれるこれらの本が店の土台を支えてくれているんだと思います。
 ここでは当店のそんな愛しい優秀本を少しずつ紹介していきます。

『ペーパームービー』 内田也哉子

講談社文庫 420円

ペーパームービー (講談社文庫)

「ややこ、自分に起こる大半のことは、自分に原因があるんだからね」
 インターナショナルスクールから日本の学校に移って、周囲に馴染めなかった内田也哉子に母親の樹木希林が言った言葉です。
 相手が変わってくれることを望むのでなく、なにか問題があるならば、まず自分が変われと、小学校6年生の也哉子に丁寧に話してくれたそうです。奇跡のような親子、奇跡のような家族、内田家にどっぷりはまってください。(タカクラ)

『台所目録』 根本きこ

地球丸 1,890円

台所目録 (天然生活ブックス)

 お気に入りの食器や旅先で出会った道具、当たり前に家にある調理器具たち・・・フードコーディネーターでカフェ&雑貨店店主、現在は一児の母である根本きこさんが、台所にある道具たちについての思い出を暖かいまなざしで綴ったエッセイです。小さな道具たちが、遠い日々の情景やアジアの喧騒を鮮やかによみがえらせています。
 使い込まれた調理道具や食器の写真はどれも誇らしげな姿をしていて、毎日活躍していることが伝わってきます。我が家の道具たちともおしゃべりしたくなるような一冊です。(高)

「クレー ART BOX  線と色彩」 日本パウル・クレー協会

講談社 1785円 

クレーART BOX―線と色彩

 2005年にスイスのベルンに完成したパウル・クレー・センターの開館と、それに伴う日本での巡回展にあわせて制作された本書。コンパクトな版型ながら、日本パウル・クレー協会が編纂しただけあって、彼の生涯を作品とともに丹念に紹介した充実した内容となっています。昨年2月の発売以来、当店でも1年近くコンスタントに売れ続けロングセラーの仲間入りを果たしました。  シンプルな線と淡い色彩で構成されたパウル・クレーの作品は、いつ見てもそこに詩や音楽のような単なる絵画を超えたなにかを感じさせてくれます。100年近くたった今でも少しも古びることがなく、いまだに新しいファンを獲得し続けているクレーの世界にふれる格好の入門書と言えるでしょう。